ワイヤーカットにおいて不可欠なイオン交換樹脂ですが、使っていると寿命が早かったり短かったりすることがあります。
ワイヤー放電加工におけるイオン交換樹脂とは
ワイヤーカットでは水などの加工液を使用し、その加工液の電気導伝率(比抵抗値)を一定に維持する必要があります。
ワイヤーカットでは一般的に加工電圧を指標に送り速度を調節し、加工物の除去量を一定になる様に制御して、加工精度を維持しているため、加工電圧が加工液の比抵抗値の変動によって変化することは、この制御に悪影響を与え、加工精度不良を起こす原因になってしまいます。
消耗が早くなる原因とよく耳にする噂
冬場は消耗が早くなる(特にストーブ使用の影響が大きい)
超硬を加工すると消耗が早くなる
タンク内のスラッジが溜まり、消耗が早くなる
元素を扱うような科学的な分野の知識はないのですが
よく言われる「冬はイオン交換樹脂の減りが早い」と話をよく耳にするので
通常通りワイヤー放電加工機を使いながら1ヶ月ごとにデータを記録し
実際に冬期にどのような影響があるのか検証してみました。
冬はイオン交換樹脂の消耗が早くなるのか
下記のグラフは3年間のワイヤー放電加工を使用するにあたり消耗した
ワイヤー線(青色)とイオン交換樹脂(赤色)を表したものです。
特別な装置や考慮は行っていませんが以下2点を前置きさせてください。
2018年8月はタンク内を清掃、水の総入れ替え
アルミや真鍮の加工を行っていない
冬場の11月頃から4月頃までは工場内でストーブを使用
考察
グラフからわかるように○の箇所がワイヤー線の消耗量が少ないにもかかわらず
イオン交換樹脂の消耗量が多くなっていいる。
2017年12月頃
2018年1-2月頃
2020年2月頃
例年暖かくなり始める4月頃から消耗量は安定し始めますが
11月から12月頃にかけて消耗量が増加し始めていることがわかりました。
タンク内の水を総入れ替えした2018年の8月も大幅な消耗がみられています。
結果
グラフからわかるように気温の下がる12月から翌3月までが
平均よりも消耗が多くなっている。
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カリ山製作所
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